3歳になると、子どもはまわりへの興味・関心、人とのつながりなどが急速に広がり、親への全面的な依存の状態から自立に向かい始めます。幼稚園は、このような発達を踏まえて、初めての集団生活の中で、一人ひとりのよさや可能性を伸ばしていくところです。
幼稚園によっては、最近、満3歳の誕生日を迎えた時点で、4月を待たずに入園できるようになっています。
幼稚園では、「遊び」を大切にした教育を行っています。この時期に思い切り遊ぶことで、その後の学びや創造性が豊かになるといわれています。
このため、幼稚園では、小学校以降の教育と異なり、教科書を使わず、「遊び」中心の活動を行っています。これらの「遊び」は、国語や算数などと同じように、子どもの将来にとって重要な学習なのです。
子どもは、幼稚園での様々な遊びを通して、人と上手に関わることができるようになったり、言葉が豊かになったり、自然の美しさや不思議さなどに気づいたりします。
子どもはこのようにして、小学校以降の学習の基盤を作っているのです。
平成12年4月から実施されている「幼稚園教育要領」では、良いことや悪いことの区別、社会的ルールを守ることの大切さや他者への思いやりなど、心の教育を充実しています。
子どもにとって意味のある「遊び」は、子どもをただ放っておいてもなかなか生まれません。幼稚園では、先生があらかじめ一人ひとりの子どもの発達に必要な経験を見通して、綿密な指導計画をたてるとともに、指導要録(子どもの発達の記録)を作成し、継続的な指導を行うようにしています。
先生は、この指導計画や指導要録に沿って子どもに応じた適切な援助を行い、様々な「遊び」が生まれるようにしています。
多くの幼稚園では、入園前の子どもとその保護者に園庭や保育室を開放しています。そこでは、子どもがおもちゃで遊んだり、紙芝居を見たり、また、親子でリズム遊びをしたりしています。
幼稚園は、子どもたちにとっては安心して遊べる場、保護者にとっては交流の場となっています。
幼稚園はお昼過ぎくらいに終了しますが、引き続き子どもを預かってほしいという要望や、地域の遊び場などを考慮して、教育課程外の教育(いわゆる「預かり保育」)を行う幼稚園が増えています。
幼稚園によって実施日、時間などは様々ですが、適切な教育的配慮のもと、「預かり保育」が行われています。
障害のある幼児のうち、集団生活になじむ幼児については、保育を行っている幼稚園があります。
幼稚園によっては、保育所と様々な形で連携しながら、保育、行事、子育て相談などを実施しています。